「子午線を求めて」

「子午線を求めて」
堀江敏幸
講談社文庫

著者は、小説だとかエッセイだとかの
ジャンル付けをうれしく思わない。
読者である私も、ジャンルを飛び越えて読まざるをえない、
そういう文章だからだ。

「論考にしては蕪雑だし、思考のレッスンとしては緻密さに欠け」と
著者はいうが、
緻密さというのは、こういうことをいうのではないだろうか。
パリの子午線、「パリ郊外」の小説群、絵画・写真と小説の関係…
暖かい日差しを感じさせる文章と、一転、突き刺さる現実への視点。
私のような、うかうかと日々を過ごすものには
過酷な「レッスン」だった。

過酷さはそれだけではない。
知らない漢字・熟語に出くわすのだ、だから
この本は漢語辞典を片手に読む。

そして、もう一つの過酷…というか悲しさは
「レッスン」の厳しさに耐え切れず、本を閉じ
居眠りをして電車を行ったりきたりして、
降りたときには定期券を失っていたことだ…。
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by haraheri4 | 2008-12-08 21:12 | 読書 | Comments(0)