「魔の山」

「魔の山」
トーマス・マン
新潮文庫

「魔の山」上
(2009.3.4)
とにかくもう、2月3月は「魔の山」につかまってしまって
他の本が読めません。
難しいです・・・。

「魔の山」下
(2009.3.15)
ようやく下山。私も本を終えることができ、
たいへんほっとしております。

澄んだ清浄なる空気に充たされたドイツの山。
そこに建てられた高級国際サナトリウムに一人の青年がやってくる。
無垢なる「単純な」青年は、そこで精神的肉体的さまざまな体験をする。
テロリストと人文学者の論争、雪山での嵐、
明瞭なことはなにもいわないのに「人物」を感じさせる人との出会い、
美しい腕をもったロシアの既婚女性。
ここでの時間の最小単位は「月」であり、
それすら気づかぬうちに通り過ぎる。
もう「ほとんど健康」といってもいい青年は、
下山せず、時の流れの止まった山で
怠惰な自由をすごす…魔の山で。

物語はいつ果てることなく、続いていくように思われた。
あるところで「おわり」の文字がなければ、
永久に続くかと思うほどに。
書き終わるまでに12年かかったとのこと、
私と彼が下山するのに、これだけかかったのも無理はない…?
彼のあわただしい下山は怠惰な自由から、
世界の大きな波に飲まれるためのもの。
世界は始めての「世界大戦」を迎えたのだ。
彼の下山が、もっと違うものであったらよかったのに…と人文学者は涙する。
私も彼と同じように、ため息をつく。
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by haraheri4 | 2009-03-15 13:55 | 読書 | Comments(0)