「シャングリ・ラ」

「シャングリ・ラ」上・下
池上永一
角川文庫

いま、世界は大不況と地球温暖化などの環境破壊の只中にあり、
資本主義が疑われはじめている。
この小説の舞台では「Co2」発生に税金がかけられる。
最初は純粋なCo2にかけられていたものが、
やがて現在の不況を呼んだ「架空取引」「バブル」を生み出す。
日本は無理やり森を作ったが、町を森化しただけだったので
水や空気は汚染され、やがて他の生物が生存できない魔の森へと変わる。
3人の少年少女は、それぞれに思いを抱いて
この日本・東京を変えようと決意する。
物語は徐々にスピードをあげ、読者はそれに追いつけなくなりそうになる。
「地球は人が支配する」ものではなく
「人は地球の手の上で生かされている」にすぎないという、
新しい世界が幕をあける。

けれど、私は「選ばれし者」ではなく
「市民」がこの世を変えていく、と信じている。
それ以外は、おもしろく、トップスピードで読み走りぬいた。
(2009.04.18)
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by haraheri4 | 2009-04-19 13:39 | 読書 | Comments(0)