「愚行録」

「愚行録」
貫井徳郎
創元推理文庫

「慟哭」で貫井さんと出会い、
叙述トリックのおもしろさを教えてもらいました。
でもある1冊で、しばらく貫井さんから遠ざかっていたのですが、
今回「愚行録」でもう一度貫井さんに震えました。

「本当に愚かなのは、誰?」という帯の一言、
これしかいえない。
あとはストーリーも、トリックも(当然!)、結末もいえない。
社会を見ること、社会の最小単位である家族を見ることを
同時進行で進めて、そのゆがみを見せ付ける。
切なくて、また自分の愚かさを知る。

叙述トリックは、ただの細工ではなく
この物語を語るために必要な舞台。
最初の1頁、途中の登場人物、
一言でも読み飛ばせば、結末が読みきれない。
緊張の読書体験。
(2009.04.22)
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by haraheri4 | 2009-04-26 10:08 | 読書 | Comments(0)