日本書紀

「日本書紀 全現代語訳」
宇治谷孟
講談社学術文庫

「日本書紀 (上) 全現代語訳」
(2009.07.01)

「日本書紀 (下) 全現代語訳」
終わった~はう~
現代語訳でこれだけかかるんじゃ、原文は無理かな。
(2009.07.21)



「何代もの天皇の時代にわたり書かれ、
何人もの書き手がいた」というあとがきを読んだ。
それにしても、統一感があまりないというか…
どういう編纂方針を採ったのだろうか。
古事記と共通する神話が載っていて、
それならそれで、あまり語りたくないような部分はぼやかして書くとか
あってもいいような。
しかし、乱暴狼藉をはたらく天皇(すめらみこと)についても
どんなに乱暴な人だったかを詳細に記している。
だったら、どこまでも正直に事実を載せればいいのでは、
と思ったりするが、神話につながるような不思議なことも一緒に載っている。

日本史だか古典だったかの授業では
「言い伝えや伝承や書かれた史料がごちゃごちゃになっていて
これでは真実を伝えられないから」
「神の子としての威厳を示すため」といった理由で書かれたと聞いたような気がするけれど。
神の子、だからこそ「幼少よりその人柄はまっすぐ素直でいらして
上に立つ人ながら威張るところがない」みたいな記述が多いのはわかる。
それと乱暴な天皇の記述や天皇の皇位争いの記述などが
同居しているのはどうしてだろう。
正直にあったことを伝えようという意図と、
「神の子の威厳のため」という意図は同居できないような気がするのだが。

それから韓国とのつながりの深さには驚かされる。
この日本書紀は漢字で書かれているはずだが、
中国との関係はだいぶ後にならないと見えてこない。
韓国の三国と任那については
「任那を立て直すように百済に言った」とか
「新羅が任那を取った」とか
「取り返した」とか
「三国そろって朝貢にきた」とか、
めまぐるしく情勢が変化している。
機を織るもの、陶器を作るもの、造園などに秀でたものなど、
韓国からたくさん人を呼んで仕事をさせている、
割には、韓国への見方は「わが国より下にあるもの」となっている。
中国には、「皇帝にお会いできて嬉しいです」みたいなへりくだった態度。
この態度の違いはどこからくるのか?
それはそれとして、多くの人が韓国から来て日本に住み、
また日本からも三国を見張る官を送っている
…昔々は今よりお隣の国とつながりが深かったんだな。
韓国とのつながりがどういうものだったのか、
きっとこれからもっと明らかになるのだろう。

天皇が死んだとき生きた人を埋めていたのを廃し、
埴輪を作るようになったり。
天照大神をはじめとする日本を作ったとされる神々と
仏教との関係をどうしていくか悩んでいたり
(で、結局両方大切にしている)。
だんだんと税金や官位、国々のシステムが整っていったり。
最近(といっても千年以上前だけど)になるにつれ
地震・火災・日食・大雨などの気象の事柄が記述され、
時が刻まれるようになり、人々は鐘によって動くようになったり。
官位や百姓(おおみたから)の食べ物、着物が決められたり。
「こんな昔からお酒ってあったのね」「こんな昔から私の姓がある!」と思ったり。
いろいろと古代がしのばれおもしろいです。
(2009.07.21)
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by haraheri4 | 2009-07-22 19:30 | 読書 | Comments(0)