「玻璃の天」

「玻璃の天」
北村薫
文春文庫

「街の灯」に続くペッキーさんシリーズ第二弾。
直木賞受賞作につながる作品。

昭和初期。
「人間のごく当たり前の思いを、率直に語れる世であってほしい。
だが、そのことが愛する人達を苦しめる世だとしたら、どうすればよいのか。
考え出すと、底知れぬ泥沼に足を踏み入れたような気になってしまう」という主人公。
時代は「たんたんくらくなるよなりけり」であった。
主人公は令嬢、そして探偵はお目付け役の女運転手。
ふたりの生きる時代は、ただの背景ではなく
ふたりの行動や言動をも支配しようとしていた。
「自由」を愛する令嬢と、
「吉良邸の前にいれば、命がけで大石蔵助を止める」であろう運転手、
ふたりは時代に生きながら、みずからの信じる行動や言動を行っていく。

それは、どれほど困難なことであろうか。

このシリーズ、そして今回のこの本を読みながら
前から大好きだったけど、
あらためて、自分はすばらしい作家に出会えた、と思う。
ただのミステリーではない、心にうったえる物語です。

北村さんの博識ぶりにも、ためいきものです…。
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by haraheri4 | 2009-09-22 11:06 | 読書 | Comments(0)