「野火」

「野火」
大岡昇平
新潮現代文学23「野火・事件」

何度目かの再読。

戦を知らなくても、
文学を通じて私は戦場におかれる。
「権力のために強制された生活」はもはや生活とはいえない。
さまよい歩く周りには人から遠く離れた姿をした死体。
それでも右半身と左半身がばらばらな動きをして
意思を通そうとする自分を止める。
体が死ぬか、心が死ぬか。それは同じこと。
戦場から体が離れても、野火が見えるのなら。

今、新聞に現れる事柄はもう「徴候」を超えている。
知らないから、などといってはいられないほど
近づく軍靴の音に耳をふさぐな、私よ。
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by haraheri4 | 2009-10-03 14:26 | 読書 | Comments(0)