「薬指の標本」

「薬指の標本」
小川洋子
新潮文庫

短編2つ。

『薬指の標本』
標本を夏休みの宿題にするのは男子だった。
女子は集めて眺めるより、きっと眺められたいのだろう。

誰かが、自分にぴったり合っていたとしても
それは自分ではない。
自分の領域を侵してもかまわないと思うなら、
自分の一部を差し出しても見つめてほしいと思うなら、
それを決めるのは自分だから。

危うい、それでもそのきもちはわかってしまう。

『六角形の小部屋』
私の心配事を解決できるのは、自分なのだろう。
自分の言葉を聴きながら、自分を客観的に取り出して、
それを見ることができるなら、いつか小部屋はいらなくなる。
けれど、その目的を見失ってしまったら、
自分は自分で立つ、ということができなくなっていることに気づくだろう。

(2009.11.04)
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by haraheri4 | 2009-11-05 17:37 | 読書 | Comments(0)