道草日和。

「楽園」

「楽園」
宮部みゆき
文春文庫

「楽園 上」
(2010.03.04)

「楽園 下」
「9年前の事件」は忘れない。
悪意のみの犯行が、ある、ということを認めることが怖い。
あの事件は、心が重たくなった、
人をいたぶって悦ぶ人間、その人とどうしていったらいいのだろう。
私にとっては、そしておそらく多くの宮部ファンも、
あの事件を、ただの読書体験としてではない、
もっと衝撃のあるものとして受け止めていたのではないかしら。

「楽園」は、家族のありようの難しさを表現しているように思う。
家族だから、家族なのに、家族だって…
家族はこわい、家族には強い絆としがらみがある。
家族にまつわる黒い魔法については、
少しはわかった気でいたけれど、魔法の力はもっと強大なんだ。
「じゃあ、どうしろっていうんです?」
という台詞が、私につきささる。
そして、家族の形を借り、狩り、
人をいたぶって悦ぶ人間が登場する。
けれど、家族は立ち上がろうとする。
もう一度。そしてそれはまた別の物語になるだろう。

しんどい仕事を引き受けていく登場人物のすがたに、
胸が苦しくなります。
でも、仕事を依頼した人の心に、
その人物は助けられる、それを読んで私も助けられる。
つらかったけれど、この本を読んでよかった。

今日は仕事で、どうしても先方と埋められない溝を見て、
でもわかってもらいたくて、感情的になってしまった。
先方は「どうしようもない人もいる」という、
私はそんなことない、人は変わる!と主張する。
それで、衝突してしまった…。
私は、「9年前の事件」を忘れてはいないけれど、
でもやっぱり、人は変わる、と信じていたいのです。

「9年前の事件」を読み直すのは、今は無理です。
心に重い負担になるし、
あと、なにより頁数が多いから。
(2010.03.05)
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by haraheri4 | 2010-03-05 22:09 | 読書 | Comments(0)
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