「凍りついた香り」

「凍りついた香り」
小川洋子
幻冬舎文庫

過剰な愛は毒になる。
その毒には使うものも、対象者も侵される。
愛だと勘違いしていたけれど、
それは愛じゃないんだ。
ただ、愛だと勘違いして毒を使う者は、
自分もまた愛の被害者であったりする。
ずっと前から、本当は「凍りつい」ていた心身。
それに追いついたとき、涙がこぼれる。

小川さんの作品ではいつも、何も無駄がない。
どんな小道具も、せりふも、必ず意味がある。
香水、スケートリンク、くじゃく、洞窟、蘭、暗算。
置かれたところがばらばらでも、
後からつながって物語をより深く見せてくれる。
(2010.03.26)
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by haraheri4 | 2010-03-27 11:44 | 読書 | Comments(0)