道草日和。

「私の男」

「私の男」
桜庭一樹
文春文庫

夢中、といったら違う。
読みながら胸が詰まって、苦しいのに、
頁を閉じることができない、
そんな気持ちで一気に読みました。

最初から、苦しい物語になることがわかっている。
時系列にそった構成ではないのだが、
その最初に表現された苦しみを頁の最後まで
最後の一行まで思い続けながら、読者は読むことになる。
もしかしたら夢のように、笑いながらこのままくらせるんじゃないか、
でもそれはないことを私は知っている、
だからこそ、読み続けていくのが苦しかった。

文学は一生の勉強だと思っている、
文学を食べて、現実を生きる栄養にしている、とも思う。
けれど、自分が弱っている時に、
今回のような苦しい物語を読むと、
客観的になれずに物語に呑み込まれてしまう。
東京駅で紅茶を飲みながら、逆に物語に呑み込まれていくのを感じながら、
どんどん黒い海につかまってしまった。
時間になり、頁から顔をあげたときは、
もうすっかり黒い海の中にいて、
本来の調子の悪さに拍車をかけることになってしまった。
その後の打ち合わせは、もうだめだめ。

天候が落ち着かず、調子の悪いみなさん、
仕事の前に読むのは、おすすめしません。
でも、とても心ひかれる作品です。
忘れられない一冊になりそうです。
(2010.04.23)
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by haraheri4 | 2010-04-24 10:05 | 読書 | Comments(0)
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