道草日和。

「越境」

「越境」
コーマック・マッカーシー
ハヤカワepi文庫

読み終わるのに10日もかかったのは、
600頁を超える厚みと独特の文体のせい、ばかりではなく。
16、17歳の少年の道のりがこんなにも過酷であって
それがつらくて。

めいが読んでいる私に「どんな話?」と聞くが、
答えるのが難しい。
「少年が大切なものを守ろうとして、
世界とか時間とか人生とかは何かってことに
気づいていくような話…?」と疑問形で答えてみたものの、
そうだろうか、と思う。
それらの「真実」らしいものを手にしても、
彼はそれでどうにかなるものではないのだから。

手にしたものは、形だけを残して少年の手の届かぬところにいってしまい、
探しているものは見つからず、
会いたかった人とは、会えても返事はなく。
彼は何も苦しみを口にしないで、
たった一度「たいへんなのはお前じゃない、俺だ」といっただけで、
時に誰もいないところで涙をこぼしながら、
それで、そして、どうしたらいいのだろう。
少年とともに私も悲しみに沈み、これからが見えなくなってしまいそうで。
それでも、彼が出会った
「世界が風や雨でできているなら、それと同じ姿をした」ものが、
彼の心の底で燃えている。
(2010.07.20)
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by haraheri4 | 2010-07-25 15:19 | 読書 | Comments(0)
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