道草日和。

「抗夫」

「抗夫」
夏目漱石
新潮文庫

21世紀の私たちから見たら、
「職業に貴賎なし」ということになるが、
漱石の場合はそこは時代の問題として
さっぴいて考えてあげないといけない。
それに、そこが主眼ではないから。

なにしろ、「抗夫」なのに、
250pくらいの小説なのに、
100p超えても坑内にいないんですから。
行き来する心の変化、
矛盾も繰り返しもすべてが本当にありえることで、
私の頭の中で起きていることは電撃的な一瞬でも、
書いてみるとこんなふうになるのかもしれない。
そして、これらの逡巡こそが
これまで日本人がもっていなかったものなのかもしれない、
それを描いたのかもしれないと思ったり。

それにしても、江戸っ子の文体と深刻な悩みのギャップ、
これこそ漱石、大好きです(また告白だ…)。
(2010.12.21)
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by haraheri4 | 2010-12-26 14:55 | 読書 | Comments(0)
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