「美丘」

「美丘」
石田衣良
角川文庫

かわいいめいとおいは、
おばさんにとってたった1つだが、
最強の決め技をもっている。
「お話の最後を話しちゃう」というやつです。
これをやられると、私は一発でもだえ苦しみ、
「もう、これ以上しゃべらないで」
と泣いて懇願するよりないのです。
今回はドラマ化されて、それを見ていたようだ。
私も疲れていたこともありガードが甘かった、あう。

純愛ものがブームになり、
歌もドラマもそんな感じで、
私は、なんとなく「どうでもいいや」と
近寄ろうとしませんでした(今もそうです)。
で、めいとおいがちらっと話してしまったラストを聞きながら、
「これは、私にはだめかもしれない」と思いつつも、
石田衣良さんなら大丈夫、と思い読みました。

私は生きるのが難しいと感じています。
などと、美丘などに言おうものなら
その場でぶん殴られてしまうだろう。
けれど、生きることの意味を世界でただ一人知っている彼女は、
だからこそ自分を失う恐さを知っている。
がむしゃらで、とほうもなく、自由な彼女と、
その悲しみ。それを抱くぼくは、約束する。
それは、たぶん小説世界だからこその約束。
けれど、人ひとりを生涯刻み続ける、
そして自分のしたいことをする、なんて、
本当にきみはかわったよ。
きみも私も彼女に出会えてよかった。
(2011.01.06)
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by haraheri4 | 2011-01-09 12:27 | 読書 | Comments(0)