道草日和。

「Boy's Surface」 

「Boy's Surface」 
円城塔
ハヤカワ文庫JA

「Self-Reference ENGINE」では
「これは純文学か、SFか」といわれ、
かなり動揺しながら読んだ。
懲りずにまた読んだら、
「Self-Reference ENGINE」以上にきつかった。
「これは小説か、数学か」というレベルになっていた。

私は算数の後半で、あなたにはついていけないと思い、
数学とは高2まででおつきあいを終わりにした。
以後、%は何を何で割るのかを、毎回考え考え仕事をしているような状態だ。
数学の世界では、ボーイ表面というのは有名なのだそうですね。
私は全く知りませんで、そんなわけだから
この小説を理解できたかできていないかは、理解できない。
理解できないなりの理解の仕方を以下に書いてみる。
ネタばれかもしれないから注意してください
(でも、ネタばれかどうかもあやしいのだ。
作者が「これは解説不能なお話」と解説しているくらいなのだから)。
(2011.02.13)



「Boy's Surface」
は本のタイトルであると同時に、1つめの短編タイトルである。
私の理解は
「異性との接触は、錯覚を覗きこみながら錯覚を説得するようなもの」
というもので、たいへんあやしいものだ。
だいたい、今手にしている「Boy's Surface」が文字列なのか、
紙でできているのか、本という体裁をとっているのかも、
あやしくなるのだから。

「Goldberg Invariant」
は2つめの短編。
ここでの私の理解は、
「積み上げてきたものから新しいあるいは古いものを見つけるのは、
たいへんな冒険。世界がひっくりかえるほどの」というもので、以下同文。

「Your Heads Only」
は3つめの短編。
私の理解は、
「私にとって人間はそう何人もいない。
だから人間を愛するのは不思議でもなんでもない」。

「Gernsback Intersection」
は4つめの短編。
「時がねじれても花が2つあっても出会うときは出会う。
未来の子どもはそののろいと祈りを受けている」という理解。

「What is the Name of This Rose?」
は作者による解説という名の小説。
作者による解説に期待してはいけない。
数学の理解が乏しいのは前もって知っていたが、
引用につぐ引用に、自分の文学的勉強不足をさらに思い知るのは
なかなかつらいことである。
そしてその引用は果たして、実在するのかしないのかもわからない。
作者は作者にしか見えない文字を読み、
そこから4つの物語を紡いだのだから。

ハヤカワ文庫の売り出しは「数理的恋愛小説集」となっているのだが、
そうだとわかる時と、まったくわからない時がある。
「遠距離恋愛の話」となっているものについては、
「非常に遠距離」であることは理解しつつ「恋」かどうかは全くわからず、
かろうじて「愛」はどこかにあるのかもしれない、くらいな感じだった。
もう少し数理的な世界を知っていれば理解できたのか、
そうであっても難しいのか、
それとも自分は文学的な力を試されているのか
(それは間違いないように思うが、それは間違いだ)。
作者は「とても単純な話。だからこそ、
深く読める人には、ねじれて読めてしまうかもしれない」というようなことを
作品中で述べているが、
だとしたら…これでいいのかなあ。
それでも、円城さんの作品、もっと読みたいのは、
難しくてもおもしろいからだ。
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by haraheri4 | 2011-02-17 18:51 | 読書 | Comments(0)
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