「猫を抱いて象と泳ぐ」

「猫を抱いて象と泳ぐ」
小川洋子
文春文庫

将棋は、ルールが覚えられません。
どうも一つ一つ駒の動かし方が違うのことがやっかいです。
そういう私でも、十分読むことができます。

小川さんらしい。
小さきもの、身体に障害があるものを
小川さんはよく描きます。
また、身体の一部に執着する姿もよく書かれます。
「身体」というものに非常に愛をもって魅かれているのだろう、
と想像する。

身体が、こうありたいと主人が願うように留まり続けることについて、
誰も口を挟むことはできない。
盤下にあって初めて呼吸ができるなら、
それこそ自分のあり方に関わるのだから
(逆の姿は、彼にとって「不幸」なのだ)。
誰にでも、どんな相手にも、
美しい詩を残そうとする少年のままの彼。
猫を抱き、象と泳ぎながら下から世界を見つめる。
せつなくて、優しさが壊れないように願う。
(2011.09.29)
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by haraheri4 | 2011-10-09 15:17 | 読書 | Comments(0)