「フラッタ・リンツ・ライフ」

「フラッタ・リンツ・ライフ Flutter into Life」
森博嗣
中公文庫

「スカイ・クロラ」シリーズ。

記憶がとぎれとぎれになっても、
たったひとり、思い出す人のなまえ。
主人公の君が、あんまりものわすれがひどくて
まるで私のようだと思う。
君に聞きたいよ。「どうして、その人のなまえを覚えているの?」と。

何かをあきらめて、子どもはおとなになるのだろうか。
ここまで「僕」を見てきた、一緒に過ごしてきた読者は
「僕」がただ1つ笑える場所を
ずっと「僕」にあげたいと願い、その願いは遠ざかっていくばかり。
切なさでいっぱいだ。

「やりたいことはないの?」と時々私に聞く人がいる。
だいぶ昔にあきらめてしまった。
「childhood」をおとなとして生きて、
「おとなになったら何になる?」という質問には
うまく答えられなかった。
私は自分の子ども時代を振り返り、
置き去りにしてきたことや、できなかったことを見つめて、
知って、そして本当のおとなになるんだ。
これまで生きてきた時間と、同じ時間を使って。
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by haraheri4 | 2008-07-29 23:27 | 読書 | Comments(0)