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「飛ぶ教室」

「飛ぶ教室」
ケストナー
光文社古典新訳文庫

少年たちは、「かわいらしく、美しいもの」と書かれてきた童話に
「少年とは戦い、悩み、悲しみ、友を愛するもの」と挑む、
そう、悲しさを悲しめ。
嬉しさを嬉しいと叫べ、少年たちよ。

仲間がいて、家族がいたり、いなかったりして、
そして子どもの心を忘れない先生がいたら
少年たちは悲しみを悲しめる。
嬉しさを叫べるんだ。
(2009.05.29)
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by haraheri4 | 2009-05-30 09:38 | 読書 | Comments(0)

「龍宮」

「龍宮」
川上弘美
文春文庫

彼女の作品は、私にとっては夜読んではいけないもの。
夜はいろいろなものを吸い込んでしまう、
あいまいにしてしまう、
悲しみと切なさだけでない、恐ろしさを感じる作家の文章に
引きづりこまれてしまうから。

この短編集は、異形のものとの遭遇。
異形のものは、いつもとなりにいて
唐突でなく、人の世界に溶け込んでいる。
あるいは異形のものに、ヒトは助けられる。
異形のものに助けられる短編を読みながら,
「ヒトがヒトを助けることは難しい」ということを思ったりする。
(2009.05.28)
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by haraheri4 | 2009-05-30 09:31 | 読書 | Comments(0)

「時計じかけのオレンジ」

「時計じかけのオレンジ」
アントニイ・バージェス
ハヤカワepi文庫

少年・青年期とは特別なもの。
おとなにはない権利をもち、おとなにある権利をもたない。
成長しつつある人間として、
おとなたちは広い心でその成長を見守る。

たとえ暴力にまみれていても、彼からその心を奪うことはできない。
善悪、やりたいこと・好きなことは彼が選んでいくものだ。

そしてやがて少年はおとなになっていくのだ。

ロシア語めいたスラングが「ハラショー」!
強烈な暴力シーン、帯には「R-18」の文字。
そして「兄弟よ」と、話しかけられると、
その「みなさまの誠実な語り手」の言葉を聞かずにいられない。
(2009.05.27)
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by haraheri4 | 2009-05-30 09:26 | 読書 | Comments(0)

「ニッポン硬貨の謎」

「ニッポン硬貨の謎 エラリー・クイーン最後の事件」
北村薫
創元推理文庫

私は、北村薫氏によって本格推理の世界に導かれた。
北村氏はエラリー・クイーン(EQ)を「ミステリの神様」としてこれまでも語ってきた。
私たちは、北村氏がミステリのみならず、
古今東西の文学に通じる「読書の達人」であることを知っている。
にもかかわらず、何の予習もなくこの本に取り組もうとした
自分が浅はかだったのだ。

この本はEQ著、北村薫訳、
ということになっている。
EQが日本で起きている連続殺人と
「五十円玉二十枚の謎」を同時に推理、犯人を追う。
そこにはミステリファンなら「あれ?」と思う人物や事柄がいくつもはさまれ、
EQ論がちりばめられた、華やかといっていいような世界なのだ。

私は、EQの推理に感服し、
連続殺人が途中で終わったことにほっとし、
この本に満足している。

が。
北村先生、私は本格の世界に分け入って数年のまだまだ初心者。
こんなにたくさんの宿題を出すなんて、あんまりです。
「ついに、謎が明らかに!」とわくわくする私に、
追い討ちをかけるようにさらに宿題をだすとは…。

これをお読みのみなさん、「ニッポン硬貨の謎」を読むためには
少なくともこれだけの宿題をこなす必要があります。
・「競作 五十円玉二十枚の謎」 創元推理文庫
・「シャム双子の謎」 エラリー・クイーン 創元推理文庫
・「カブト虫殺人事件」 ヴァン・ダイン 創元推理文庫(絶版)
・「僧正殺人事件」 ヴァン・ダイン 創元推理文庫
・「緋文字」 エラリイ・クイーン ハヤカワ文庫(創元推理文庫にもあり)
私のブログup歴にあるとおりの読書目録です。
でも、これらの本はあくまで「少なくとも」であり、
「われこそは本格ミステリ道の追求者なり!」と胸を張る方々は、
EQの主だったものを読んでおいて、間違いありません。
私はそこまでできませんでした…。

なにより、宿題と本題が終わったことに、今はほっとしています…。
(2009.05.26)
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by haraheri4 | 2009-05-26 17:20 | 読書 | Comments(0)

「緋文字」

「緋文字」
エラリイ・クイーン
ハヤカワ文庫

創元文庫版を探していたが、
それは手に入らず、ハヤカワ版です。

「緋文字」と聞いて、あなたはホーソンとクイーン、
どちらを思い浮かべるでしょうか。
先にホーソンを読んでいた私にとって、
クイーンは、より今に近い「緋文字」の世界の体験だった。

それにしても「事件」が起きない。
なかなか起きない。
ずーっと起きない。
ミステリファンは、いらいらするかも、と解説にあるほどだ。
しかし、それまでの長い長い頁は
犯人がこしらえた目をくらます舞台、
探偵も読者も目をくらまされる。

これまた、必要の書。
しかし、私の長かった「必読」シリーズはこれで終わり。
(2009.05.26)
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by haraheri4 | 2009-05-26 17:18 | 読書 | Comments(0)

「僧正殺人事件」

「僧正殺人事件」
ヴァン・ダイン
創元推理文庫

「カブト虫」の次は、ビショップです。

「怪しい」人が次々に殺されていく事件で、
読者はそのたび推理のやり直しをする。
最後に残された「怪しい」人物と「最も疑わしくない」人物。
誰が、誰を落とそうとしているのか。

この本も、必要に迫られて読んだが、
今となっては、この本を読まされた?意味がわかる。
絶版ではありませんでした、よかった。
(2009.05.24)
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by haraheri4 | 2009-05-26 17:12 | 読書 | Comments(0)

「カブト虫殺人事件」

「カブト虫殺人事件」
ヴァン・ダイン
創元推理文庫

一目でわかる罠が、
「巧妙なもう一つの罠」になる。
罠にかけているのは、罠にかけたいのは誰。
犯人は意外な裁きを受ける。

この本を探しに2件の本屋に回った。
1件目で「絶版」とわかったが、
在庫がないか調べにいったのだ。
それでもないので図書館に行った。
横浜市港北図書館にあるというので、取り寄せて
(私は港北区民ではない)読んだ。

簡単に言うと、いま読むには苦労する本だということ。
それでもこの本を読む必要があったのだ。
港北図書館所蔵のこの本が、
もしかしたら今、横浜中を回っているのではないだろうか。
(2009.05.20)
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by haraheri4 | 2009-05-20 16:23 | 読書 | Comments(0)

「シャム双子の謎」

「シャム双子の謎」
エラリー・クイーン
創元推理文庫

山頂にある館で起きる殺人事件。
山火事に追われ、館には殺人犯がいる。
緊張の連続、謎をとき、解いては謎が浮かぶ。

有名な作品。
いつか読むだろう、と思っていたが
ある本のために、いま読むことになってしまった。
(2009.05.13)
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by haraheri4 | 2009-05-18 21:20 | 読書 | Comments(0)

「競作 五十円玉二十枚の謎」

「競作 五十円玉二十枚の謎」
創元推理文庫

作家若竹七海さんが本屋でバイトをしていたときこんな体験をした。
「毎週決まった曜日決まった時間に男が現れ、
『千円と変えてくれ』といって、五十円玉を二十枚差し出す。これが、バイトをやめるまで続いた」
若竹さんは「なぜ五十円玉が二十枚も毎週たまるのか」
「なぜ本屋で毎週千円に両替するのか」という疑問を抱き、
抱いたまま10年の月日が流れた。

それじゃあ、その謎に挑んでみよう!
これがその本である。
プロアマの謎解きの競演。

この本のことは知っていた。
しかし、それぞれの作家の本で読んだものもあり、
今日まで読まずにきた。
ところが、読まねばならない、読まないと先に進めない、という事態が…。
(2009.05.09)
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by haraheri4 | 2009-05-10 14:54 | 読書 | Comments(0)

「君のためなら千回でも」

「君のためなら千回でも」
カーレド・ホッセイニ
ハヤカワepi文庫

「君のためなら千回でも」上
(2009.05.07)

「君のためなら千回でも」下
(2009.05.08)
アフガニスタンのことを、私は知らない。
だからといって中国、アメリカ、インドのこともわからない。
ただ、地球の上で少しずつ平和を求めてきた歩みや
人権・環境問題などが、
この世紀でいっそう前進することを願っている。

アフガニスタンに生まれた裕福な家の少年は、
使用人の少年にたいし、してあげたかったことを
勇気を持ってすることができなかった。
2人はそのつらさゆえに別れ、
おとなになって、取り返しのつかなくなってしまった友情に気づく。
そしてある少年をタリバンから救い出すことを決意する。

20世紀から21世紀に起きたこの国の戦争・紛争と、
そこで生きる人々の感情のありようは無関係ではいられない。
まして本来、保護され愛護される存在の子どもたちにとって
命があっても、それだけでよかったとはいえないのだ。

どこにいても、どんな人でも、おとなも子どもも
愛したり、失敗したり、許したり、許されたりという
当たり前の感情を、戦のない毎日の中で積み重ねられる、
21世紀がそんな日々になっていくように。
戦の中で、家族も友も町もばらばらにされ
それでも子どもたちに豊かな感情の日々をあげたいと願った、
主人公の友人の勇気に励まされます。

美しいカイトが表紙。
カイトは、2人の少年にとってかけがえのないものであり
主人公を変えてしまう大きなことがらとなった。
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by haraheri4 | 2009-05-09 19:41 | 読書 | Comments(0)