道草日和。

<   2010年 04月 ( 10 )   > この月の画像一覧

「私の男」

「私の男」
桜庭一樹
文春文庫

夢中、といったら違う。
読みながら胸が詰まって、苦しいのに、
頁を閉じることができない、
そんな気持ちで一気に読みました。

最初から、苦しい物語になることがわかっている。
時系列にそった構成ではないのだが、
その最初に表現された苦しみを頁の最後まで
最後の一行まで思い続けながら、読者は読むことになる。
もしかしたら夢のように、笑いながらこのままくらせるんじゃないか、
でもそれはないことを私は知っている、
だからこそ、読み続けていくのが苦しかった。

文学は一生の勉強だと思っている、
文学を食べて、現実を生きる栄養にしている、とも思う。
けれど、自分が弱っている時に、
今回のような苦しい物語を読むと、
客観的になれずに物語に呑み込まれてしまう。
東京駅で紅茶を飲みながら、逆に物語に呑み込まれていくのを感じながら、
どんどん黒い海につかまってしまった。
時間になり、頁から顔をあげたときは、
もうすっかり黒い海の中にいて、
本来の調子の悪さに拍車をかけることになってしまった。
その後の打ち合わせは、もうだめだめ。

天候が落ち着かず、調子の悪いみなさん、
仕事の前に読むのは、おすすめしません。
でも、とても心ひかれる作品です。
忘れられない一冊になりそうです。
(2010.04.23)
[PR]
by haraheri4 | 2010-04-24 10:05 | 読書 | Comments(0)

「四畳半神話大系」

「四畳半神話大系」
森見登美彦
角川文庫

AとBとCの話だと思ったら、
Aの話だった。
途中でタイトル「神話大系」のことを思い出し、
神話だからなあ…とABC説に納得しそうだったのに。
でもやはり神話なのです。

突っ走れ!若さと妄想。
今回の森見さんも、突っ走っています。
硬さの中におかしみのある文体で、
誰もが通った恥ずかしい若き日々を描いています。
(2010.04.21)
[PR]
by haraheri4 | 2010-04-24 09:42 | 読書 | Comments(0)

「ランナー」

「ランナー」
あさのあつこ
幻冬舎文庫

「メタルギア」の後に、
あさのあつこさんか…
きついのが続くような気がする、
と思いつつ読んだら、やっぱりきつかった。

「バッテリー」より厳しさが増しているのは、
現実が厳しくなっているからなんだろう。
「ただ投げる」という心から始まった「バッテリー」、
けれど「ランナー」は「ただ走る」わけにはいかなかった。
命を育てるのに、理由や責任やをいわなければならないのか、
ただこの幼い愛しいものを大切にしたい心だけではどうにもならないのか。
親の心も、苦しい恋をしている先輩の心も見えてしまう優しさが、
「じゃあ、お前はどうするんだ?」と自分へ問いかける。
守ろうとした相手が、実は女神だったことに気づかされて、
心が支えられていく。それがきっと、女神をも…。
(2010.04.15)
[PR]
by haraheri4 | 2010-04-17 12:25 | 芝居・映画 | Comments(0)

「メタルギア ソリッド」

「メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット」
伊藤計劃
角川文庫

「メタルギア ソリッド4」というゲームのノベライズ、
とは簡単にはいえない、伊藤計劃さんの思考がよくわかる戦争小説。
私はゲームはまったくやらないので、
これも知らないのですが、
計劃さんの作品だから、読みました。

「虐殺器官」から一貫している、
「心を縛るものへの抵抗」、
その強さをかんじる。
SFは現在社会を反映するとも、予測するともいわれますが、
徹底的な管理社会は、いま確かに見え始めていて、
作家の目はそれをにらみつけいる。

でも、やはりゲームをまったく知らないので、
過去にいろいろあったらしい事件(というか戦争)のことは、
うーん、説明的な部分も少々あって、
それにやはり戦争なので、
心が弱っているこの頃に読むにはハードだった、1週間かかったな。
(2010.04.14)
[PR]
by haraheri4 | 2010-04-17 12:17 | 読書 | Comments(0)

新芽

昨年、マンションの改装の間に枯れてしまったローズマリー。
b0044694_8512761.jpg

でも、春になったら芽がでるんじゃないか、
まだ生きているんじゃないか、と思って捨てられずにいたら、
親木の足元と、別の鉢に小さな新芽が出ていました。
b0044694_8513338.jpg

うれしい!
親木は「もう、俺だめかも。でも、これでは終われない!」とでも思って
赤ちゃん新芽のたねを残してくれたのかしら。
すごいなあ。
[PR]
by haraheri4 | 2010-04-10 08:54 | くらし | Comments(0)

「クリスタル・レイン」

「クリスタル・レイン」
トバイアス・S・バッケル
ハヤカワ文庫SF

SFづいてるなあ。

自由を求めて、違う世界を求めた人々。
なのに、そこでもまた争いが起こることの悲しさ。
裏切りの仮面を被ったものも、
二人の自分の間をさまようものも、
白か黒かではない決着をつける。
物語そのものも。
(2010.04.07)
[PR]
by haraheri4 | 2010-04-10 08:44 | 読書 | Comments(0)

「猫とともに去りぬ」

「猫とともに去りぬ」
ロダーリ
光文社古典新訳文庫

人生、何が起こるかわからない。
魚や猫になることもあるかもしれないし、
ピアノで戦うこともあるかもしれない。
ファンタジーの中に現実への批判がはっきり表現されて、
「イタリアの国民的児童文学作家」という解説を読むまで
まったくおとなの物語として読みました。
教訓めいたり、愛国心を育てたりなんて、「児童文学」はごめん。
「児童文学」こそ上質で、ファンタジーに遊びながら、笑いながら、
心に残る物語であってほしい。それがこの人。

「ぜったいやってはいけないことがある。
昼間だろうが、夜だろうが、
海のうえだろうが、陸のうえだろうが。
それはたとえば、戦争。」
解説に載せられた詩はおとなとか子どもとか関係なく。
(2010.04.03)
[PR]
by haraheri4 | 2010-04-04 10:44 | 読書 | Comments(0)

「切れない糸」

「切れない糸」
坂木司
創元推理文庫

小説の中の探偵は妙な癖をもっている方が多いようです。
今回の探偵は、切れた糸のような人。
切れない糸にあこがれながら、
うっとうしくもあり、重くもあって。
でも切れない糸であっても、
空高く飛べることを「生物委員」と結びつきを作りながら知っていく。
生物委員は、じれったいほどそのことの大切さに気づいていないで。

今回は、最後の謎以外は見えました。
伏線が私にもわかりやすく置かれていました。
でも、謎が解けても人の人生は続いていくのだということを、
そのことこそを大切にしている作家です。
(2010.04.02)
[PR]
by haraheri4 | 2010-04-04 10:37 | 読書 | Comments(0)

大きなお買い物

誕生日に大きなお買い物をしました。
それはキーボード!
b0044694_16164033.jpg

エレクトーンを習っていたのですが、
だんだん年をとるにつけ、
家の家具で最も重たいこいつを
おばあちゃんになってから大型ごみに出すことは不可能と考え、
最近捨てました(涙)。
それでも、何か弾けるものがほしくて
誕生日に自分で買いました。
…全然弾けない。まいったな、使いこなせなそう。
[PR]
by haraheri4 | 2010-04-03 16:18 | Comments(0)

お花見

会社のみなさんと根岸公園に行きました。
b0044694_1613233.jpg

みごとな桜でしょう?
が、この日横浜は突風で電車が止まるほどの天気。
私たち以外にお花見の人が見当たらないのが、少々淋しい。
前に来たときは、この芝生いっぱいにシートが広がっていたのに。
アップで撮るとこんなかんじ。
b0044694_16133947.jpg

(2010.04.02)
[PR]
by haraheri4 | 2010-04-03 16:15 | 旅・散歩・町 | Comments(0)



レシピ・たべもの、読書などなどの話。
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30
カテゴリ
記事ランキング
画像一覧
以前の記事
フォロー中のブログ
ブログパーツ
最新のコメント
最新のトラックバック
小さいニモ
from 道草日和。
線つけ学習法でTOEI..
from ビジネスで英語が必要ですか?
村田エフェンディ滞土録
from To pass leisur..
橋からみた川
from 道草日和。
猛スピードで母は (文春..
from 本を読もう�U
タグ
検索